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zoom RSS 余計なことを教えない。算数「逆思考の問題」

<<   作成日時 : 2016/07/13 21:05   >>

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 算数教育には、「順思考の問題」「逆思考の問題」と言われているものがある。具体例を見れば、どういう分類なのかが分かると思う。

順思考の問題例
イ「5人いるところに3人やってきた。何人になるか?」
ロ「5人いて2人帰った。何人になったか?」

逆思考の問題例
A「5人いるところに何人かやってきて8人になった。何人やってきたのか?」
B「何人かいるところに4人来たので6人になった。最初は何人いたのか?」
C「3人帰ったので、2人になった。最初は何人いたのか?」
D「6人いて何人か帰ったので、4人になった。何人帰ったか?」

 算数教育の世界では、「順思考の問題は、場面の通りに式を立てて答えを求められるが、逆思考の問題だとそうはいかないから難しい」とされていて、小学校1年に足し算・引き算を教える際は順思考の問題のみを扱い、逆思考の問題は2年生以降で扱うことになっている。

上の例題の場合だと

順思考の問題
イは足し算の場面で答えを足し算で求める。
ロは引き算の場面で答えを引き算で求める。

逆思考の問題
A、Bは足し算の場面なのに答えを引き算で求める。
Cは引き算の場面なのに答えを足し算で求める。
Dは逆思考の問題にもかかわらず、引き算の場面で答えも引き算で求める。

という具合になっている。だから逆思考の問題は難しいというのである。


教師に算数の教え方を指南するサイトには次のように書かれている。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
はこの中から あめを 12こ とって たべたら、はこの中には まだ 18こ のこっています。はこの中には はじめ なんこ はいっていたのでしょう。
このような問題が出され、子どもたちが加減の演算決定をする場面があります。この問題の場合には、状況そのものは「減法」の場面です。しかし、答えを求めるのは「加法」です。このように、場面としては「減法」(加法)でも答えを求める際にはその逆算である「加法」(減法)で求める種類の問題は、「逆思考」の問題と呼ばれています。
このような場面では、いわゆる「キーワード」と呼ばれる「ぜんぶで」「あわせて」「ふえて」「へって」「ちがいは」などによって演算を決めるわけにはいきません。もう一度、数量の関係を確かめてみる必要があります。そのための1つの「数のモデル」として「テープ図」があり、これを機会に導入するのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
https://edupedia.jp/article/53233f95059b682d585b6594?km_saf_try_cnt=1


 算数教育では、問題文の状況を指して「これは足し算の場面」「これは引き算の場面」「どちらになるかはキーワードに着目すればいい」などと教えていることがある。これだと当然、逆思考の問題でうまくいかなくなる。そこで今度は「テープ図」なるものが教えられることになる。

 「取り敢えずその単元の問題だけは解ける、その場限りの安直な手段」が教え込まれ、単元が進むとそれではうまくいかなくなり、別の手段が教えられる。数学教育の悪いパターンが、小学校低学年からすでに始まっている。この結果、教える教師の側も、教わる生徒の側も、「算数・数学の勉強とは、問題パターンごとに解法を覚えること」となってしまう。こうなってしまわないためには、小学校低学年の段階から教え方を改良する必要がある。

 仮に以下のような状態の子がいたとする。
◆数の概念を習得している。物の数を数えられる。
◆簡単な文章は理解でき、文章題の意味も理解できる。
◆足し算も引き算も知らない。

 この子にとって、この飴玉の問題は、「引き算の場面」でもなければ「足し算で求める問題」でもなく、問題文に書いてあるとおり、最初にあった飴の数を求める問題に過ぎない。
 この問題では数値が大きいから難しいかもしれないが、「2個食べて3個残った。最初は何個あったか?」であれば、容易に答えを出せる可能性が高い。

 ところが余計なことを教わると、「2と3で足し算か引き算のどちらかをやればいい。食べた、残った、とあるから引き算だ。3−2=1 答え 1個」などとなってしまう。

 学校では、余計なことがいろいろ教えられていて、このことでかえって算数・数学の理解が妨げられることがありがちである。



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