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zoom RSS 「これ何算?」 高校数学での躓きは小学校で始まる

<<   作成日時 : 2016/07/05 22:53   >>

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 前回のブログで、学校では算数・数学のカリキュラムが細分化されていて、出題パターンが限定されてしまい、問題を解くことが理解につながらないと述べた。今回は、小学校算数で具体的にどうなっているかを見ていく。

 国内には算数教科書を出版する会社がいくつかあるが構成はどれもほぼ同じである。ここでは学校図書の1年教科書に掲載されている問題を見てみる。
(※ もちろん、実際の教科書の問題文は、小学校1年生が読むことを想定して、表現はこれとは異なる。)


足し算の単元は【あわせていくつ】と【ふえるといくつ】に分かれている。
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【あわせていくつ】
「赤い花が5本、白い花が4本ある。あわせて何本?」
「白い兎が2羽、黒い兎が5羽いる。全部で何羽?」など。

【ふえるといくつ】
「自動車が4台停まっている。3台来ると全部で何台になるか?」
「鉛筆が5本ある。今日3本もらった。全部で何本?」など
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引き算も【のこりはいくつ】【ちがいはいくつ】に分かれている。
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【のこりはいくつ】
「金魚が5匹いる。2匹取った。何匹残るか?」
「折り紙が9枚ある。4枚使った。残りは何枚?」
「子どもが9人遊んでいる。3人帰った。残りは何人?」

【ちがいはいくつ】
絵が示されていて「男子は女子より何人多いか?」
絵が示されていて「ケーキの数は皿の数よりも何個多いか?」
絵が示されていて「赤い車と黄色い車、どちらが何台多いでしょうか?」
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同様に、掛け算の単元では掛け算を使う問題ばかり、割り算の単元では割り算を使う問題ばかりが出される。
そうすると子どもは文章題に対して「今は引き算を習っているから引き算をすればいい」となってしまう。これらが混ざって出されることもあるが、その場合も加減乗除の4つのどれかで解ける問題ばかりなので、「これは何算か?」と発想するようになってしまう。


 高校数学の「順列・組み合わせ」で、「これはCで解くの?Pで解くの?」となってしまう萌芽が、小学校算数の段階で作られることになる。

 「中学までは数学が出来たが高校で急にわからなくなった」というケースの多くは、このように、解法を覚えて当てはめるという勉強をずっと続けてきたことが原因である。
 高校数学ともなれば、問題パターンも多様で、それぞれの解法パターンを覚えて当てはめるという方法は通用しない。実は「急にわからなくなった」のではなく、それ以前から理解していなかったのが露呈したのである。

 こうなってしまったら、
■理解しているところまでさかのぼって勉強しなおす。
■これまでの勉強法を改める
ということが必要なのだが、長い間やってきた方法を手放すことが出来ず、公式・解法の暗記に四苦八苦する高校生が少なくない。しかし苦労しても理解にはつながらない。

 
 こうなる前に、小学校の段階からちゃんと理解していく学習法をした方が望ましいのは言うまでもない。そのためには、現在の教科書のカリキュラムに沿って勉強するのではなく、少し工夫する必要がある。



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