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zoom RSS  「公式・解法を覚える→問題に取り組む」の順番を逆にしてみる

  作成日時 : 2016/06/18 16:09   >>

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 勉強しなければできないのは当然だが、勉強してもできるようにならないなら、今やっている勉強方法を疑ったほうがいい。塾で生徒を見ていると、「今まで間違った勉強をしてきたんのだろうな。これでは数学が分からなくなるのも当然だな」と思うことがしばしばある。 

 多くの人は、「数学の勉強は解法・定理・公式を覚えて、問題に取り組むもの。解法を覚えるために問題を解く」と思っているようだ。教える側もそう思っているようで、高校での数学の授業は、教師が一方的に説明して、生徒が演習問題を解くというスタイルが多いらしい。しかしこれだと、与えられた解法に当てはめるだけになりがちで、理解は深まらない。

 これに対して大場数理学院では、「やり方を教わらないで問題に取り組むことで、解法・公式を自分で発見・獲得していく」という方法を推奨している。

   座標平面上の点(2,3)と直線4x−5y+3=0の距離を求めよ

 例えばこの問題を、「点と直線の距離の公式」に当てはめてるのではなく、公式を教わらないで、知らない状態で解くのである。

 当然、時間と手間がかかるが、このことで目の前の問題だけでなく数学全般に取り組む力が強化される。例えばこの問題のままでは難しいと思ったら、まずは原点からの距離を求めるなど、色々工夫することになる。やさしい簡単なケースから取り組んで、そこを手がかりに徐々に一般化していくというのは、数学全般で有効な方法である。なかなか解けなくて悲観的になるかも知れないが、そこであれこれ試行錯誤する経験が、数学全般を理解するのに役立つことになる。


多くの人がイメージしている数学の勉強法
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【公式・解法を覚える】
「座標平面上の点(p,q)と直線ax+by+c=0の距離は、・・・」

【類題をやって公式・解法を定着させる】
座標平面上の点(2,3)と直線4x−5y+3=0の距離
座標平面上の点(−2,4)と直線x+3y−7=0の距離
座標平面上の点(−1,2)と直線7x+6y−10=0の距離
・・・


問題のタイプごとに解法・公式を覚えて当てはめていく。
大学入試対策ともなると、膨大な数の公式・解法を覚えないとならない。
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大場数理学院の進める勉強法
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【公式・解法を知らない状態でいきなり取り組む。】

最初はやさしいものから徐々に一般化していく。
座標平面上の点(0,0)と直線x+y−6=0の距離
座標平面上の点(0,0)と直線2x+3y−6=0の距離
座標平面上の点(0,0)と直線ax+by+c=0の距離
座標平面上の点(5,6)と直線x+y−6=0の距離
座標平面上の点(5,6)と直線2x+3y−6=0の距離
座標平面上の点(p,q)と直線2x+3y−6=0の距離
座標平面上の点(p,q)と直線ax+by+c=0の距離

公式が最初から存在するのではなく、徐々に浮かび上がってくるイメージ。

【少し間をおいてまたやってみる】
今度はもう少し速く導くことができる。
これをくり返していくと、公式をすぐに導けるようになり、公式を覚えているのか、導いたのかが曖昧になる。


 意識的に覚えようとしなくても自然に頭に入る。仮に忘れてしまっても、また導くことができる。

試行錯誤の経験が、座標空間での点と平面の距離という発展した内容や、まったく別の単元について考えるときに生かされることになる。

大学入試で、見慣れない問題に遭遇しても、それまでも「解法を知らないで初めて見る問題を解く」という経験を何度もしているので、「今回もまあ何とかなるだろう」と取り組むことができる。
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 この方法は、時間がかかり、効果がすぐには見えないが、本格的に数学を勉強したいと思っている人にはお薦めの方法である。



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